PLANT LABO.

PLANT LABO. の日常の研究結果や考察をご紹介しています。

緑のイメージカラー

久しぶりに投票率も高かった(注目された?)都知事選が、290万という圧倒的得票で小池さんの勝利に終わりました。

 

環境省出身でクールビズをひろめた人

・「女性初」を連発して多様化社会を切り開いている人

に期待したいと思います。

 

勝因などはさまざま議論されていますが、今回 当初からイメージカラーをグリーンにしたことは 意外とあなどれない効果があったのではないかと思います。

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ブランディングの領域では、

ブランドとは、商品とユーザーのイメージの接点 とされていて、

ユーザーが商品を想起するサポートになる と言われています。

 

つまり、ロゴやカラーなど ブランドを表すシンボルを用意してあげることで、ユーザーはより、商品をイメージ(記憶する、思い出す、etc.)しやすくなるということです。

 

グリーン というわかりやすいシンボルで 小池さん という人が 有権者に「イメージしやすい」安心感を与えたことが想定されます。

 

この作戦はいいな と思いつつも、今後 同じ戦略をとろうとする候補者の人に

あまり選択肢は残されてないかもなあ という気もします。

青って冷たいイメージだし、赤は政治的にいろいろありそうだし(血の色でもあるし)

 

モノトーンはないですよね。茶色もなんだかな、、、

 

オレンジ(暖かいイメージ) や 空色(クリーンなイメージ)はあるかもしれませんね。

 

なんにせよ やっぱり グリーンは 政治家のイメージカラーとして最適なように思います。 小池さんのセンスはやはりあなどれません。

 

 

経済的な中心であるということは、「消費」の中心でもあるということです。

東京が より環境負荷の小さい都市に、そして持続可能社会への先進的な取り組みが見られる都会になって欲しいなと思います。

 

追記)

そういえば、東京オリンピックは コンパクトで環境にやさしい次世代のオリンピックを標榜して指名されたのですよね。

それが旧世代の おじいさま方に 古臭いゴテゴテしたオリンピックに先祖返りされてしまった挙句に お金もたくさんかかる ということでは困ります。

指名された素敵なコンセプトを取り戻してほしいものです。


(2号研究員)

WFP(国連食糧計画)の取組|スマホアプリで、少額から難民の子供の給食支援できる

WFP(国連世界食糧計画)が11月10日にリリースしたスマホ用アプリです。

 

昨今急増して問題になっている 難民の支援として

難民の子供たち向けの食糧資金の寄付を募ってます。

 

仕組みとしては、スマホアプリをダウンロードすると

そのアプリから 1日分(60円)単位で 直接WFPに寄付することができます。

 

実物はコチラ ⇒ https://sharethemeal.org/en/values.html

秀逸だな と感じたのは 以下の3点。

 

|1 簡単な操作でサクサク

アプリをダウンロードしてから、寄付完了まで、

クレジットカード情報の入力を除けば わずか 3~4タップで完了します。

寄付することに特化して操作性を追求している感じ。

 

|2 ゲーミフィケーション

最近はやりの SNS系やらネット系のゲーム要素で寄付する側のやりがいを刺激してくれます。

例えば自分がこれまで寄付した食糧の数が見える(たまっていく)とか、

友達(Facebookアカウントと連動させると)と一緒だと どれくらい寄付したか

とか。

 

国別とか地域別とかにするともっと面白いかもしれない と思いました。

 

|3 少額~

最小寄付単位は60円。 100円すら切るこの少額はすごい。

寄付プロセスに人手がかからないからできるのでしょう。

簡単⇒人手かからない⇒少額単位でできる⇒たくさん集まることを見越してアプリに初期投資できる⇒洗練されたアプリが作れる

という好循環がイメージできますね。

 

11月13日現在(リリースから3日程度) で1.2億円を集めたことになります。

このペースなら 1年で100億円!

 

 

◆◆

世界にはいろんな難題が山積しています。

私どもラボでは、「小さな力」「小さな意思」「小さな善意」「小さな思いやり」を束ねることで よりよい社会にできるのでは? と考えていますが、

 

重要な仕組みは「小さな力」を束ねる仕組みづくり ですね。

散らばった小さな力を束ねる仕組み が重要だな と感じる事例でした。

 

 

 

持続可能性について考える 第3回:原子力と自然エネルギーの持続可能性

ご無沙汰しております。

研究員第2号 ケシです。

 

今日はエネルギーの問題について少し。

 

日本は再び、原子力によるエネルギー供給確保の道に舵をきったように見えます。

去る、20142月に行われた東京都知事選挙で、脱原発を掲げた陣営は大差で敗れました。

これをして、「民意が脱原発にはない」と結論付けられるかどうか、政治的な問題はさておき、安定政治基盤をもつ与党の方針もふまえて、原発再稼働の流れは避けられそうになく、新しい原発の建設にすら道が開かれるかもしれません。

 

原子力とそれ以外の発電方法の、どちらが持続可能なエネルギーかは判断が難しいところです。

原子力には、事故による甚大被害と廃棄物処理

火力には大気汚染(と日本に限定していえば燃料の海外依存からくる原価高騰)、

水力をはじめとする自然エネルギーには供給量と安定供給

という それぞれが重要な問題をかかえています。

 

日本は今、それらをミックスさせて将来の技術革新に備える という意味では

バランスのとれたポートフォリオを模索している と言えなくもありません。

 

以前、こうした人類の抱える問題について、2つの学派が存在する という報告をしました。

人類の技術革新を信じて文明の発展や投資を促進するソロー派と、

自然に対する謙虚さを背景に節約の美徳と必要性を主張するマルサス派です。

 

仮にエネルギー問題を、原発推進派と、原発反対派の2つの対立に単純化(※)するとして、どちらがソロー的で、どちらがマルサス的でしょうか?

この問いは、エネルギー問題のある側面を語っているようです。

 

実は、原子力を推進しようとする人々も、原子力をやめて自然エネルギーにシフトしようとする人々も、技術革新を必要としてるのです。

 

原子力発電は、安全性の確保や廃棄物の処理について、自然エネルギー発電効率や基本的な設備・装置の生産性について、「主要なエネルギーとしての地位を確立」するためには、技術力が不足しています。

 

一方、双方とも「節約」の重要性を主張してもいます。

 

原子力推進派は、化石燃料枯渇の危機や、温室効果ガスの抑制を重視していますし、

原子力反対派は、放射性廃棄物の増加と拡散に危機感を持つと同時に、先進国の過剰な電力消費にも警鐘を鳴らします。

 

原子力推進派も、原子力反対派も、人類の可能性を信じ、一方で人類の限界を警告するという意味でソロー的でもあり、マルサス的でもあるのです。

 

++

私見ではありますが、原子力推進派が主張する「発電コストが安い」という主張には疑いの目をもっています。

福島の原発事故現場では被害は拡大を続けていると言えますし、除染や被害者補償には目処がたっているようにはとても見えません。

 

昨年発表されたKwあたりの発電コスト計算では、廃炉費用や事故リスクが算入されていますが、そもそも終わりが見えていないものを「算入した」と言えるのでしょうか。

(報告書では、事故補償費用が想定の2倍になっても火力より原子力のほうが安価だとしています)

アメリカでは市場主導の電力供給選択の結果、廃炉が増え、新規建設が中止になる傾向にあります。ビジネスライクな視点で見ても、原子力のコストが安い という主張は過去のものになりつつあります。

 

原子力発電を推進するかどうか。

この問題の本質はここにあるように思います。

 

コストや安全性について、市民レベルではもちろん、学術的にも判断基準を統一することができないのです。

 

よく、原子力発電の安全性について議論する際に、「自動車は1年間に1万人も死ぬのに利用をやめない。原子力はそんなに死なない」という奇抜な主張がありますが、自動車と原子力の根本的な違いは「そのリスクを市民レベルで判断できるかどうか」にあるのではないでしょうか。

 

 

PLANT LABOは、原子力の推進か原発ゼロか についてどちらかに偏った研究を予定していませんが、

あえて、現段階で主張を明確にするならば、原子力発電は廃止するべきだと考えています。

 

その理由は、安全性でもコストでもなく、

「判断を我々が共有できるレベルの技術ではない」からです。

 

 

忘れることなく。

今年もこの日が過ぎていきます。

 

2011年3月11日から3年が過ぎました。

 

今でも当時の写真や映像を見ると

ぞっとする感覚が蘇ります。

 

被災地は、そして被災した方々の傷は

まだまだ癒えるものではありません。

 

亡くなられた方々のご冥福と

被災された方々の心安らかな日を祈ります。

 

 

2014年3月11日
研究員一同

持続可能性について考える 第2回:アプローチ(後編)

ども。

暑い夏が続きますが、これと地球温暖化をつなげて考えたりはしない、

研究員第2号のケシです。

 

前回、

持続可能性をめざす方法論には2つの主義・派閥がある というお話をしました。

 

節約や抑制を奨励する マルサス派と、

技術革新を奨励すれば大丈夫とする ソロー派。

 

今回は、ロジャー・マーテイン(トロント大学)、アリソン・ケンパー(ヨーク大学)の論文(北川知子 訳)「地球を救う2つの理論」からの引用をメインに、この2つの議論を できるだけ面白く(ってかエキサイティングに)紹介しようとしてみましょう。

(論文の訳文がかなり素敵なのでそのまま引用する場合は『』囲いします)

 

 

+++2派の戦いの歴史

マルサスさんは もとは「人口増えすぎるから ご飯食べすぎるとやばい」と200年前頃に言い出して、一躍時の人になりました。

ところが、その後の農業の機械化は、彼の予測をはるかに上回り、その説は忘れ去られてしまいます。

 

その後、オイルショック時代に「エネルギーが足りなくなってやばい」という声とともに再び注目を集めます。しかし、その後 エネルギー価格は安定し、またもやマルサスさん(とその仲間たち)は「オオカミ少年」的ポジションにおいやられます。

 

どちらも、農業技術の革新、生産技術革新による生産性の向上 によって「危機(あるいは危機予測)」

をのりきってしまったため、ソローさん(節約しなくても大丈夫派)が「結果的に」勝利したかに見えました。

 

そして21世紀に入って、地球環境の問題や原子力の安全性をきっかけに またもマルサス派が主張を強めています。

 

マルサス主義者によれば、(中略)再生不能な資源を食い尽くすと同時に生態系を退化させる。(中略)我々は遠くで待ち伏せているに着実に近づいていて、やがてはぶつかるだろう。待ち受けているのは、自然災害、疫病、飢餓、などの悲惨な結末である。唯一の頼みの綱は、そこに至る歩みを遅らせることだ。』

『ソロー主義者によれば、技術革新とスピルオーバー(技術革新が別の業界の革新を促す:電話回線のためのトランジスタがコンピューターの脳になって無数の産業の生産性を高める等)によって生産性は劇的に向上し(中略)最も楽観的な予測すら上回る。技術とイノベーションいよって希少資源を長持ちさせる(つまりマルサスの壁を無限に遠ざけるか、もしくは単に壁をよじ登れるようになるか、どちらかが可能になる)と主張する』

 

+++

『2つの理論はまったく対照的だ。マルサス主義者は、ソロー主義者を「妄想に取りつかれた夢想家」だと考えている。(中略)イノベーションは素晴らしいが、ソロー主義者の考えるような万能薬ではない。

ソロー主義者は(中略)大衆を惑わせ、本来必要な節約の邪魔をするという危険を冒している。

 

ソロー主義者はマルサス主義者を陰鬱な原始回帰主義者と見なし、イノベーションに内在する可能性に抵抗し、結果として生活の質の向上を妨害するのではないかと恐れている。ソロー主義者は、制限ばかりの世の中になると、への衝突は遅らせることはできるかもしれないが、壁を乗り越える方法は決して見いだせなくなると懸念している。』

 

+++

これら2つの理論は どちらが正解か どうやら答えはまだ出ていないように見えます。

とはいえ、

少なくとも産業界や政治、国際社会では この2つをどのように組み合わせるべきか について

試行錯誤をはじめているようです。

 

炭素税やCO2排出量取引といった試みは、節約への圧力と同時に、技術革新への投資を促す原動力にもなることを期待しています。

市民、企業、自治体、国 といった各レベルで 様々な取り組みがなされていますが、そうした活動が、「2つの理論」」をどうmix させているか を見てみると、とても面白い構図 あるいは「成功の秘訣」が見えてきます。

 

それらの紹介はさておき(※)、次回からはいよいよ、

個別のテーマについて、これら2つの主義・派閥 の主張をたよりに 「持続可能性とは何か」を考えていく(研究所的にいうと、考察ですな)ことにしましょう。

 

 

最初にとりあげるテーマは、「原子力発電」か、または「食糧問題」について

考えてみるよてい。

 

 

 

持続可能性について考える 第1回:アプローチ(前篇)

おはようござります。

研究員2号のケシです。

今日はいつもの手作り的研究離れて ちょっとコムズカシイ問題にとりくんでみたりします。

炭燃やす研究もしつつ、難しいことも考えるラボであるべく。

 

テーマは「持続可能性」、 持続可能性とは何か?

 

地球温暖化がよくない と言うけれど

そもそも地球って数億年前は平均気温数百度の灼熱の世界でした。

 

今、目の前で気温が1度上がったとか下がったとか そんなことは

地球君にとってはどうでもいいことのように思えます。

 

そもそも「誰の持続可能性」なのでしょうか?

 

食糧不足もそうですね。

このまま人口が増えて、食糧不足が深刻になる と何年も前から言われていますが、

既に地球上のある地域では 飢餓は慢性的で深刻な状況であるにも関わらず、

一部の地域では 食糧は30%以上を廃棄処分しているといいます。

 

食糧不足問題とは 誰の問題なのでしょうか?

 

+++

PLANT LABOは、

温暖化、原子力をはじめとしたエネルギー問題、環境、食糧、水資源、

など 様々な問題が

「あまりにも大きくて手が付けられない」と思ってしまう前に

 

目の前でできることはないか? を考え、研究しています。

 

巨大で複雑な問題への取り組み方を考えるために

まずは

 

「持続可能性」が目指す"ゴール"ってどこだろう?

 

を、解き明かしていきたいと思います。

 

+++

持続可能性を考えるとき、

経済学には2つの大きな潮流があるそうです。

 

一方を「抑制主義」あるいは「マルサス派」と呼びます。

 

人間は、野放しにしておくと 食糧や資源を過剰に消費してしまうので、

節約や 再利用についての真剣な取り組みが必要である

という主義。

 

もう一方を「革新主義」あるいは「ソロー派」と呼びます。

 

資源や食糧などの枯渇に対して、人類は必ずイノベーション(技術革新)でそれを

乗り越えてきた。これからもイノベーションをおこしやすい環境(規制緩和や競争)を整えれば、

節約しなくとも持続可能性を維持することができる という主義。

 

パッと見、マルサス派は悲観的で、ソロー派は楽観的なように見えますね。

 

マルサス派は「節約という伝統的な美徳」 つまり私たちな子供の頃から教えられてきた「もったいない」という感覚に、フィットするように見えます。

 

あるいはソロー派は「人類の可能性や英知」 私たちが子供の頃に ドラえもんやアトムで夢見た(世代がバレるな。。。)可能性を信じる 前向きな議論ができそうな気がします。

 

果たして正しいのはどちらなのでしょうか?

あるいは2つの学派のどちらも正解ではないのでしょうか?

 

+++

持続可能性とは何か を (エネルギー、食糧など)様々なテーマ別に議論する前に、まずはこの 2つのアプローチ方法

「抑制か 革新か」について 次回 少し掘り下げてみようと思います。

 

 

シュレッダー紙ゴミ再生研究:第6回

こんにちは、研究員1号 タケです。


またまた、間があいてしまったので、
かんたんに前回までのおさらい。

****
前回までのおさらい
****
燃やすしかない
というシュレッダー紙ゴミの資源化について考え、
エタノールは法規制等の問題で採算的に継続が難しく、

悩んでいたところに
新聞紙をもとに炭を作るアイデアをネットで見つけ、
シュレッダー紙ゴミで炭が作れるかな?
と思ったところ、

すぐに火がついて燃え尽きちゃったり、
ボロボロくずれて使い物にならなかったり・・・
↑イマココ

果たして、 シュレッダー紙の炭を、
完成することができるのか?

↓大失敗の前回こんな感じ

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前回の反省点として、

・コンロの火力に対し炭焼き箱が大きすぎ
・固形物を箱に詰めすぎ
・火力不足で、熱が全体に伝わらず
・結果、炭化できなかった

のかなと考え、
今度はシンプルに、
一度に焼く数を少なくすることに。

ちょっと、前回詰めこみすぎでしたよね。

++++
焼いてみた、その3

場所は、前回と変わらず、某河川敷。

一度に、たくさん焼いてしまいたい、
という衝動をおさえながら、4つでガマン。

古紙の炭キットの、
炭焼き釜(底と蓋)の片方を使い、
固形物をセットし、アルミホイルを被せ、
焼いてみることにしました。

↓こんな感じ

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アルミホイルを使って、
ちょっと、焼き芋みたい。

無理せずこんどは、大丈夫そうでしょ (^ ^)

早速炭焼き。

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と、ここで
シュレッダー炭について考えてみる。

新聞紙バージョンの炭に、
火をつけてみたとき、
肉とか焼くような、火力じゃなかったなぁ。。。

ちょっと、回想。
シュレッダー紙ゴミ再生研究:第5回

でも、火はライターですぐ着いた。

。。。

まぁ、次回色々とつかってみよっと。

とか、何とかいっている間に、

30分ほど過ぎ、白い煙も出尽くし 、
無事炭化できている様子。

慎重に、充分冷やし。。。
中を空けてみると、

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無事、炭化が完了。

とうとう、
シュレッダー紙からの、炭完成です!

次回は、炭いろいろ使ってみよう。

(という事で、さらにつづく)

2013年7月1日(月)